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【書評51】最強の老人介護/三好春樹
| 最強の老人介護 (介護ライブラリー) | |
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この本の中で繰り返しあらゆる事例を元に紹介されているのは、専門的な知識からその人を縛り付けることよりも、その人の生活習慣を大切にしてあげることのほうが大事だよ、ということだ。例えば、機械浴がある。機械浴とは、重度障害者用に入浴機器を利用した入浴手法のことだ。立ったり座ったりが困難な利用者に対して、ストレッチャーなどを利用して入浴を行うのだが、この本で驚くのは著者自身がその機械浴に水着でチャレンジしたということだ。
そうすると、機械浴が非常に快適ではないことが分かる。ストレッチャーに乗っているだけで落ちてしまいそうで怖い上に、浴槽の中で浮いたり沈んだりしながら慌てながら洗われる感覚。機械浴は風呂じゃなくて人体洗浄なのかもしれない、と著者は嘆く。
そう気づいた著者は機械浴をやめ、普通のお風呂をなんとか実現できないかと格闘する。実際に恐る恐る試してみると、案外簡単に介護が出来ることに気づく。しかもお年寄りのパワーを引き出して介護に当たるので、手間もコストも減り、お年寄り自身も喜んでくれる。大事なのはこのポイントで介護は「自立支援」が原則だ。やさしく接しすぎると、ついつい何でも「してあげる」という感覚になってしまいがちだが、それは間違っている。
お年寄りのパワーを引き出し、お年寄りの元々のライフスタイルを大切にする。それが「最強の老人介護」の原理原則ということか。このほかにも、大人用オムツや便の問題に対して、麻痺に対して、など、本当に介護の現場で困るようなトピックスが色鮮やかに分かりやすく書かれている。

個人的な話で恐縮だが、考察の多くが腹にストンと落ちるような文章ばかりだったので、付箋紙を使いまくってしまった・・・。サクサク読めるし、難しい言葉はほとんどない。なのに、奥が深い介護の世界を堪能出来る名著という感じ。
この本は学者の書いた本のような小難しさはない。しかし、全ての文章に「なるほど」と思わされる何かがある。何でだろう、と考えたが答えは簡単で、全て著者が体験したままのことを文章にしているからだった。
最強の老人介護 (介護ライブラリー)
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