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【取材】「虚弱高齢者」と「スキーのプロ選手の夏」の意外な関係

発明とは思いもよらないもの同士を組み合わせることで生まれる。慶応義塾大学湘南藤沢キャンパスの主催するオープンリサーチフォーラムでは、最先端の介護に関する研究が発表されていたが、その中で驚きの組み合わせで、新しい介護の形を模索していた研究者に出会った。東京女子医科大学看護学部・老年看護学のラウ優紀子さんだ。
彼女は「虚弱高齢者介護」と「スキーのプロ選手の夏」というキーワードを結びつけることで、新しいリハビリテーションの形を模索しようとしている。スキーのプロ選手は冬だけ練習をしているわけではない。夏も”スティックウォーキング”と言われる方法で練習をしている。スキーのスティックを持ち、歩く練習をするというのだ。
でも、それが『「虚弱高齢者介護」とは今いち、つながらない』と私が悩んでいると、ラウ優紀子さんはこう説明してくれた。
「実は、スキーのプロ選手が夏場にやっているスティックウォーキングを虚弱高齢者にやってもらうと、リハビリ効果があると考えています。
足2本だけじゃなくスティックが追加で2本加わるため、全部で4本になり歩く際の安定性が高まります。しかも、平均的に歩行距離が長くなり、歩幅も広くなるのです。立位が安定するので、自然と視線が上に行き、背筋がピンとする効果もあります。」
なるほど、確かに効果がありそうだけど、逆にリハビリをしないデメリットってどういうところにあるのだろうか?ラウ優紀子さんに聞いてみた。
「例えば、家にずっと動かずに過ごすと『廃用症候群』といって筋肉低下してしまい、どんどん寝たきり状態に陥ってしまいます。そうなると、介護される側も不幸ですし、介護者も不幸。そうならないためにも、適度な運動や外出が必要なんです。」
確かに、今後の高齢社会において、リハビリの必要性は高まっている。運動をしないことが大きなリスクであることを考えると、ちょっとした動きを促進してくれそうなツールの研究開発はどんどん進んでほしいものだ。実際、スティックをもって歩く高齢者の光景はオーストリアでは見られるとか。研究が進めば、日本の土壌に合わせた二本スティックを持ったお年寄りが増えるかもしれない。
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